目次
システム概要
開発の経緯
- 株式会社wearcoord様では、一般消費者が物件や住宅の写真を使って、壁や屋根などの対象箇所を直感的に選択し、壁紙や塗装の色・素材を変更した際の完成イメージをその場で確認できる仕組みを検討されていました。
- 住宅のリフォームや外壁塗装、屋根の改修、内装変更を検討する際、従来はカタログや口頭説明だけでは完成後のイメージが伝わりづらく、消費者にとって意思決定が難しいという課題がありました。特に、壁紙の張り替えや外壁塗装、屋根の色変更などは、施工前に完成イメージを具体的に確認したいというニーズが高く、営業提案や商談の場面でも、より分かりやすい提案手法が求められていました。
- そこで、物件写真から屋内・屋外の壁や屋根などをAIで認識し、ユーザーが選択した領域に対して、特定の壁紙や塗装パターンをリアルタイムに反映できるシステムを開発しました。建築物や部位の認識にはSAM 2/SAM3を活用し、高精度な領域抽出を実現しています。
導入することへの効果
- 本システムの導入により、一般消費者は自宅や物件の写真をもとに、壁や屋根などの対象部位を視覚的に確認しながら、壁紙や塗装の変更後イメージをリアルタイムでシミュレーションできるようになります。
- これにより、完成イメージを具体的に把握しやすくなり、リフォームや塗装に関する意思決定のスピード向上が期待できます。また、事業者側にとっても、提案内容を視覚的に伝えやすくなるため、顧客理解の促進、提案品質の向上、商談の成約率向上につながります。
- さらに、壁や屋根などの領域選択をAIが支援することで、従来の手作業による切り抜きや画像加工の手間を削減し、短時間で複数パターンの提案が可能になります。シミュレーション機能をAPIとして提供することで、既存サービスや将来的なアプリケーションへの組み込みにも対応しやすい構成としました。
プロジェクトの課題
- 本プロジェクトでは、一般消費者が撮影する写真を前提とするため、画像の品質や撮影条件が一定ではない点が大きな課題となりました。
- 屋内写真では、照明条件、家具や設備の映り込み、壁面の質感や色味の違いによって、壁領域の認識が難しくなるケースがありました。屋外写真では、天候、影、建物の角度、屋根や外壁の一部が隠れている状況などに対応する必要がありました。また、シミュレーション用途では、単に対象領域を認識するだけでなく、ユーザーが違和感なく完成イメージを確認できるよう、自然な見た目で壁紙や塗装を反映することも重要でした。
- そのため、SAM 2/SAM3を用いた建築物部位の認識処理に加え、選択領域へのテクスチャや色味の反映処理、リアルタイム性を考慮したAPI設計を実施しました。さらに、AWS上にGPU付きEC2環境を構築し、高負荷なAI推論処理を安定して提供できる基盤を整備しました。
プロジェクト概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発開始 | 2026年3月 |
| 開発期間 | 2ヶ月 |
| 開発費用 | 200万円 |
| メンバー数 | 2名(PM1名兼エンジニア、エンジニア1名) |
開発の作業内容は以下になります。
- SAM 2/SAM3を活用して、物件写真から屋内・屋外の壁や屋根などを認識するAIシステムを作成。
- 一般消費者が写真上で対象領域を選択し、特定の壁紙や塗装パターンをリアルタイムに反映できるシミュレーション機能を開発。あわせて、AWS上にGPU付きEC2を構築し、AI推論処理をAPI化。
- インフラ構築、API設計、画像解析処理、シミュレーション反映機能まで一貫して対応。
利用した製品・技術
以下が利用した製品・技術になります。
- 言語:Python, TypeScript
- フレームワーク:FastAPI、React、PyTorch
- AI:SAM2、SAM3
- インフラ基盤:AWS Amazon EC2(GPUインスタンス)、S3など

