マッチングサービス で成功率を上げる方法

先日の記事では、マッチングサービス事業を始めるに当たり「失敗しないために」は、どのような計画を建てればいいかについてご紹介しました。

今回は更に内容を補足し、マッチングサービスで失敗しないだけでなく、成功するためにどのような工夫ができるか、検討してみたいと思います。

目次

“課題のある市場”を探す

先日の記事の中では「マッチングサービスとは課題を解決するもの」であり「それなりの規模の市場があること」を失敗しない条件としました。
これらを複合して考えると「課題のある市場」というのは、マッチングサービスが育ちやすいと言えます。

例えば『IT関係』の受発注は、未だ『課題のある市場』です。
発注側の目線に立ってみると、『システム会社』『SIer』『SES』『Web制作会社』等が乱立しており、誰に依頼を掛ければいいのか、前提となる知識がないと分かりません。
企業形態についても『大企業』『中小企業』『フリーランス』等、多岐に渡る上、プロジェクトの炎上や破綻も珍しくなく、信頼とコストのバランスが取れた発注先を探すのは、とても難しいです。

このような「課題のある市場」だからこそ、ITのマッチングサービスやクラウドソーシングは高い需要を得ています。

他にもビジネスには色々な課題があります。

  • ニーズが人によって違う業種
  • 受注・発注側で理解度にズレがある(例:IT系マッチングサービス)
  • 信頼できる相手を探すのが難しい(例:恋愛系マッチングサービス)
  • サービスの質や結果が事前に判断しづらい(例:サロン比較サイト)
  • サービスの形が多様、非定型(例:保険代理店)
  • 需要はあるが、単独ではサービス展開が難しい(例:フードデリバリー)

上記のような課題を持った市場であれば、そこには『マッチングサービス』に対する強い需要があると言えます。

なお『課題がある』と言っても、市場規模が小さければそれは『マッチングサービス』を成り立たせるのは難しいかもしれません。”それなりの規模”で取引があり、なおかつ”課題が残っている”市場を探しましょう

競合他社がいても優位に立つには?

こちらも先日の記事で扱いましたが、競合がいる場合、基本的に先行するサービスが優遇されます。

なので是非競合がいない市場を狙っていただきたい……ところですが、先程挙げたような市場には、多くの場合すでに競合他社が参入していることでしょう。
そこで、もし競合他社が居たとしても、成功する可能性がある市場について言及してみます。

特定分野・特定業種に特化する

例えば”Web幹事“というマッチングサービスがあります。これは『HP制作』に特化した比較サービスです。
同様のBtoBマッチングサービスとしては”比較ビズ(2005)”や”アイミツ(2014)”があり、”Web幹事”がサービスを開始したのは2018年とかなり後発なのですが、あえてホームページ制作に特化することでシェアを獲得しました。
あえて狭い所を狙うとしても、十分な市場規模がある・これから見込めるのであれば、成功を見込むことができます。

先行サービスの隙を突く

例え先行サービスがあったとしても、そのサービスの使い勝手が悪い場合、隙を突くことは可能です。

度々事例として紹介しているairbnbですが、実はルームシェアリングサービスとしては後発で、先に”VRBO”という大手サービスが存在していました。
“VRBO”は”airbnb”がサービスを開始する時点で、すでに65,000件以上の物件が掲載されており、確固たる地位を占めていました。
しかし「UIが使いにくい」「物件ごとに規約が違ってわかりにくい」「レビューがない」といった欠点があったのです。

airbnbはその点を改善し、UIの改善、カレンダー同期、ルールの統一、レビュー機能等を実装し、「非常に使いやすいサービス」として人気を博しました。
更に「プロのカメラマンが写真を撮影する」サービスを展開し、VRBOに比べて非常に見栄えのいい写真が並ぶよう工夫をしました。

このように先行するサービスが古い場合、時代遅れのシステムやUIを使っており、そのせいで利用者の利便性を損ねているケースもあります。
その点をしっかり改善することができるなら、後発でも勝つ事ができるかもしれません。
(なお念の為記載しておくと、VRBOもその後エクスペディアからの買収やリブランディングを経て、今ではairbnbに対抗するサービスとなっています)

ユーザー名簿を保持している・宣伝できる手段がある

更にもう一つ後発でも勝負できる条件があります。
それは『メインの事業で名簿を所有している・宣伝できる手段がある場合』です。

この点で例を出すと“ゼクシィ縁結び”等が挙げられるでしょう。
“ゼクシィ縁結び”は、2015年にサービスを開始しており、大手の恋愛アプリサービスとしては後発でした。
しかしゼクシィ本体が持つ極力なネームバリューと、顧客、宣伝媒体・宣伝経路が揃っていたため、その後順調に会員数を伸ばすことができています。

継続的な利用をしてもらう

マッチングサービスを開始し、集客にも成功したとしましょう。
しかしそこで終わりではありません。マッチングサービスは『使い続けてもらう』ことが大切であり、難しいところでもあります

なぜなら基本的に『マッチングしたユーザー』は、その時点で目的を遂げてしまっています。なので使い続ける理由が、一時的にせよなくなってしまうのです。(特に恋愛系マッチングサービスでは、その点顕著と言えます)

では使い続けてもらうためには何ができるでしょうか?

会員ランクを作る・人気会員を優遇する

まず大切なのは『会員ランク』を作ることです。
会員ランクがあれば、会員にとってアカウントは『作って終わり』ではなく『育てるもの』になります。

たくさん『いいね』をもらった人や、良いレビューを多数獲得した人は、サービス内でも優遇しましょう。
優遇といっても、目立つように表示するとか、上位に表示されやすくするとか、その程度で構いません。
それによって、一般会員には『素敵なマッチング相手が登録している』ことをアピールできますし、人気会員にとっても『サービスを使い続けることにメリットがある』状態となり、継続が期待できます。

なお、基本的にビジネスマッチング等で用いられる手法ですが、恋愛系マッチングサービスでもこの手法は可能です。
多くの恋愛系マッチングサービスでは、もらった『いいね』の数が可視化されています。更に『いいね』をたくさんもらった人気会員は、検索で表示されやすくなったり、ソートで上位に表示されたり……といった仕組みが取られています。

登録したてのユーザーも優遇する

人気会員を優遇することが大切と述べましたが、そのような継続ユーザーばかり優遇すると、新規ユーザーはマッチングできない状態となってしまいます。

よって初回登録時には、多くの人とマッチングしやすいようサポートしてあげることが肝要です。こちらも検索上位に配置したり、目立つように表示を行いましょう。
正しくマッチングできた暁には、新規ユーザーにもサービスの価値が伝わり、プラットフォーム全体の活性化が期待できます。

成約しやすい相手をピックアップする

『人気会員』『新規会員』の優遇についてお話しましたが、これは程々に優遇したらいいのであって、少数の案件に極端にオファーが集中することは避けなければなりません

オファーが集中することは、受けた側からしてみれば嬉しいかもしれませんが、多数のユーザーがマッチングを断られる事でもあるのです。
よってより多くのユーザーがポジティブな体験を得られるよう、うまくアルゴリズムを調整して上げる必要があるでしょう。

これを上手くやっているのが『転職系マッチングサービス』です。
何も考えず一覧にするなら、転職者は好条件ばかり応募してしまうでしょう。しかし、そのせいでマッチングしないまま時間が過ぎてしまうのは、企業側も転職者側も望まぬ事態です。
よってマッチングしやすい転職先を、いかにおすすめさせることができるか、多くの転職系マッチングサービスは工夫を凝らしています。
マッチング率・成約率等を常に監視し、調整を施してください。

ポイント・クーポンの発行

そして典型的な継続利用訴求として『ポイント・クーポンの発行』が挙げられます。

特にフリマ系のマッチングサービスでは、とても有効な手段です。
会員が売却して得た収益を、そのままポイントとして使えるようにするなら、出品者が今度は購入者として利用をしてもらえるため、プラットフォーム側には大変ありがたい状況です。

クーポンについても、発行することで『サービスを使わないともったいない』という視点に立ってもらうことができます。
またクーポンに有効期限を設けるなら、『有効期限が近づいている』というお知らせの形で宣伝を行うこともできます。

軌道にのっても集客し続けることが大切

マッチングサービスとして『成功率を上げる』ことについてご紹介してきましたが、最後に重要な点が一つあります。
それは『サービスが軌道に乗っても、集客し続ける事』です。

確かにマッチングサービスは軌道に乗れば強いです。
ユーザーが集まったサービスはそれだけで魅力であり、ユーザーがユーザーを連れてきてくれるでしょう。

しかしながら、ユーザーの殆どはいつかサービスを離れます。
『マッチング相手と結ばれた』、『事業が軌道に乗って、サービスを使う必要がなくなった』『別事業に転向した』『ライバルサービスに魅力を感じた』『忙しくなった』『飽きた』等、色々な理由でサービスを離れていくのです。

そして人気ユーザーが離れたサービスは、気付かないうちに衰退していきます。
恐ろしいのは、一度ユーザーが離れ始めるとどんどんサービスの魅力がなくなっていくことです。ユーザーが増えたときの勢いそのままに、今度はユーザーが減っていくこととなります

よってどのような形態のマッチングサービスであれ、集客は行い続ける必要があるのです。
シェア1位を獲ったサービスについて調べていただくと、今でもそのサービスが広告を打っていることがわかるでしょう。成功したサービスでさえ、常に新しいユーザーを獲得し続ける努力を怠らないのです。

また集客だけではありません。ここまで取り上げた通り、『マッチング率が下がっていないか』『人気ユーザーに手厚いサービスが出来ているか』『新規顧客の取り込みは出来ているか』『UIが使いにくくなっていないか』『マッチングに関する課題を解決出来ているか』『不具合や表示崩れが放置されていないか』といった点に注意を払い続けてください。

マッチングサービス事業は現在とても注目されている市場です。参入を目指すライバル企業に『隙がある』と見られないよう、常にサービス向上に努めてください。
そうするなら、きっとあなたのサービスは長期的に成功し、多くの人に価値を提供することができるでしょう。

マッチングサービスを運営するには?

『マッチングサービス』は、今大変需要が高まり、急成長している分野です。
ただし、その運営は決して簡単ではありません。

TodoONadaでは、マッチングサービスを低コストに始める方法や、サービスで決めないといけないこと・運用方法等について本ブログでご紹介しています。
各記事をご拝読いただければ幸いです。

また本記事でご紹介した内容を含め、各形態でのマッチングサービスを低コストで開発したいなら『マッチングワン』がおすすめです。
『マッチングサービスを開発したいけれど、あまりコストは掛けられない』『必要な機能をしっかり揃えたい』という方におすすめなパッケージとなりますので、ぜひ一度ご相談ください。

 

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