海外のユニークなマッチングサービス5選

マッチング事業のビジネスモデルについてこれまで解説してきましたが、何回か触れた点として『先行する競合がいると難しい』という要素があります。
マッチングサービスは今大変人気がありますが、人気があるからこそ、旨味のある分野では大手企業や先行サービスが軒並みシェアを獲得しています。

しかし世の中には、今知られているマッチングサービスとはひと味もふた味も違うような、ユニークなサービスがいくつもあるのです。
本日はそのような『海外のマッチングサービス』についてご紹介します。

目次

1.Wingman – 仲人にプロフィールを書いてもらうマッチングアプリ

恋愛系マッチングサービスを利用するのは、決してやる気あふれる人だけではありません。
プロフィールを書く時点で挫折したり、相手との会話に緊張したり、疲れたりする人もいるでしょう。

そういった難点を解決したマッチングアプリが『Wingman』です。
なんとこのアプリ、『独身者本人』は登録できません。では誰が登録するかと言えば、その独身者の友人や親族です。

彼らは独身者のプロフィールを代わりに作成します。彼や彼女にどういう良いところがあり、どういった気質や性格なのか、推薦文を書きます。
相手探しも代理人が行います。例えデート前にふられたとしても、独身者本人は知らないままです。

このシステムは一見複雑ですが、いくつもの問題を解決しています。
まずプロフィールに嘘や誇張が含まれる可能性を低減できます。友人にも嘘をついているのでない限り、正しい情報が記載されるでしょう。
それだけでなく自覚していない良いところや、自分ではアピールしにくい点等も、友人なら堂々と書いてくれます。

また先程も言及した通り、マッチングアプリを使うことは、緊張したり、疲れたりするものです。しかしこのアプリなら、その疲れる操作を仲人にアウトソーシング出来ます。
もちろん友人に負担は掛けますが、自分のデート相手を探すのは面倒でも、他人のデート相手を探すのは面白そう、という人はいるものです。そういう人にお願いしてみるといいかもしれませんね。

2.spinlister – 本格自転車のシェアリングサービス

自転車のシェアリングサービスと言うと、『チャリチャリ』等を思い浮かべるかもしれませんが、
この『spinlister』は、利用者同士で自転車をシェアするサービスです。

一般的な自転車サービスでレンタルされるのは、車輪の小さな、そこまでスピードもでない自転車です。
しかしspinlisterでシェアされるのは、本格的なロードバイクやクロスバイクであり、カーボンファイバーのフレームやshimanoの変速機が使われています。
spinlisterが対象としているのは、自転車で数十キロや数百キロ走ってしまうような、本当に自転車が好きな人たちなのです。

一部spinlisterが提供している自転車もありますが、メインとなるのは同じ自転車好きがシェアしている自転車です。
彼らは彼らで、平日眠らせているロードバイクや、予備の自転車を使って収入を得ることが出来ます。

なお気になる金額ですが、1時間あたり6ドル~20ドル(約900円~3,000円)が相場のようです。当たり前ですが一般的なレンタル自転車より高額です。

3.Swop.it – 『物々交換』が前提のフリマアプリ

フリマアプリで欲しいものがあった場合、現金やポイントで支払いを行うのが普通です。
しかし『Swop.it』は少し違います。このサービスは『物々交換』が前提となっているのです。

登録者は自分の持つ『不要なもの』をアプリに登録します。
すると近隣の人々が出している『不要なもの』を見ることができるので、その中から欲しいものを選び、取引を持ちかけることが出来ます。

例え相手から『それは欲しくない』と言われても、安心してください。それを欲しがっている人とグループを組んで、3社間でのトレードも可能になっています。
これはとてもエコで環境に優しいサービスと言えるでしょう。

……しかし残念ながら、Swop.itは現在サービスが終了しています。
終了した理由については明らかにされていませんが、推測できる理由としては『マネタイズの難しさ』『マッチング相手が見つからない』という点が挙げられます。
金銭でやり取りするフリマアプリであれば、手数料を取るのは容易です。しかし物々交換では手数料は別途徴収する必要があるため、別途手数料を徴収するのであれば使い勝手を損ねてしまいます。
また結局のところ、どんな物品と交換するより『お金』と交換するほうが、利用者にとって使い勝手がいいのです。

一見良いコンセプトに見えても、サービスとして成り立つかといえば厳しい……という事例です。

4.Freecycle – 無料で物をあげる人と貰う人のマッチング

一方で、似たコンセプトながら長く続いているサービスもあります。
それが『Freecycle』です。

先程のSwop.itと同じく、Freecycleの利用者は『要らない物』をサービスに登録します。
しかしSwop.itと違う点として『代価を受け取りません』
登録したものは、無償で提供する形となります。

登録されているものが欲しい人はどうしたら良いでしょうか?
登録者にほしい旨を伝え、もし選ばれたらそれを取りに行くだけです。商品代金はもちろん、手数料や会員費すら支払う必要はありません。

なぜこのようなサービスが成り立っているかと言えば、これは商業活動ではなく『非営利の運動』だからです。(なのでドメインもorgです)
『良い物を埋め立て地に送らない』というコンセプトで運営されており、助成金や寄付、そしてボランティアで賄われています。

『ビジネスモデル』という観点から言えば少し外れるかもしれませんが、このようなマッチングの形態も存在しています。

5.ライドシェアサービス – 誰でもできるタクシーサービス

ライドシェアとは、行き先と目的地を入力すると、一般ドライバーが目的地まで連れて行ってくれるサービスです。

……『Uber』等が行っているとても有名なサービスなので、どこが『ユニークなサービス』なのか分からないかもしれませんが、
実は現在の法令だと、日本でライドシェアを行うことは出来ません

正確に言うと、ライドシェア自体は2024年4月に日本でも一部地域で解禁されました。
しかしながら、ライドシェアを運行管理するのが許されるのは『タクシー会社』のみであり、ライドシェア料金も需要によって変動するのではなく、タクシーと同じ料金形態です。

なので正直なところ、利用者側としてはタクシーを利用するのとほとんど変わりありません。ドアが自動で開かないとか、ナンバーが白かったりとか、運転手が制服でなかったりするかもしれませんが、その程度の違いです。

海外のライドシェアは、日本のライドシェアと大きな違いがあります。
運転手は、運転免許証を持っていれば誰でもなることが出来ます。(州や各サービスごとに規制や講習を行っている場合はあります)

料金は定額ではなく、混み具合によって変動します。イベント後等の利用者が殺到する時間帯では、非常に利用量が高く設定されますが、一般的な時間帯であればタクシーよりも遥かに安い金額で乗ることが出来ます。

一見便利なサービスのように思えますが、犯罪やトラブル等の事象が多く報告されているのも事実です。韓国やイタリアのように、ライドシェアを禁止している国も存在します。
日本でも法改正については議論が行われていますが、解禁されるのはまだまだ先でしょう。

その他海外の大手マッチングサービス

今回は海外に存在する”ユニークな”マッチングサービスを紹介しましたが、もちろん至って普通のマッチングサービスも存在します。
一部は日本からでも利用ができますし、英語が堪能であればクラウドソーシング等で仕事を引き受けることができるかもしれません。

是非こちらも参考にしてみてください。

クラウドソーシング

恋愛系マッチングサービス

職探しマッチングサービス

その他

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