先日よりChatGPT APIの使い方について色々解説してきましたが、非エンジニアの方はそろそろこう思っている頃でしょう。
『ChatGPT APIをもっと簡単に、手っ取り早く使いたい……』と。
大丈夫です。そんな夢を叶えてくれるツールがあります。
なんなら、わずか数分でChatBOTすら作れる夢のようなツールです。
LangFlowで爆速なChatBot開発を行う方法
ツールの説明等は後回しにして、とにかく作り方を説明しましょう!
まずはChatGPTのAPI keyを取得してください。
取得方法は以下の記事に記載しています。
取得できたらこの『LangFlow』というツールを開いてください。
なお、上記リンク先は本家のLangflowを開いているのではなく、あくまで『Hagging Face』というサイトで提供されているデモとなります。
とりあえずは使い方を説明するのでそのままブラウザでいきますが、本格的に動かす場合はローカルにインストールしましょう。
(インストール方法は後述します)
開いたら、右上の『import』をクリックしてください。
するとアイコンが2つ並ぶので『Examples』をクリックします。
一番左上に『Basic Chat with Prompt and History』というのがありますのでそれをクリックします。
するとこのような画面が出ます。
左下の『ChatOpenAI』というボックスに注目してください。
ここにChatGPT APIの情報を入れていきます。
『OpenAI API Key』には、取得した自分のAPI Key、
『OpenAI API Base』には、下記のURLを入れてください。
https://api.openai.com/v1
他はそのままでOKです。
次に、左上の『PromptTemplate』というボックスを見てみましょう。
『Template *』という部分をクリックすれば編集できます。
下のほうはそのままにして、上の方に、どんなAIになってほしいかを書きましょう。
例えばこんな感じです。
『Check & Save』を押しましたか?
必要な作業はもうありません!
あとは右下にチャットのようなアイコンがありますので、そこを押してAIに話しかけてください。
望んだ通りの『ベタ褒めしてくれるChatBOT』が完成しました!
『LangFlow』『LangChain』とは何か
ひとまずChatBOTが完成したところで、細かい説明に入りましょう。
この『LangFlow』というツールは何か、と言えば『LangChain』をGUIで使えるようにしたものです。
では『LangChain』とは何でしょうか。
『LangChain』はChatGPT等の言語生成AIを使う際、動作を補助してくれるフレームワークです。
ChatGPTは曖昧な指示でも受け付けてくれるすごいAIですが、だからこそ機械的に処理を行ってくれなかったり、うまく情報を読み取ってくれなかったりします。
更に、GPT-3・GPT-4には『2021年9月』までの情報しか学習に使われていません。よって最新の情報については教えてくれなかったり、誤った情報を答えたりします。
そういった言語生成AIの不完全な部分を、機械的に補ってくれるフレームワークが『LangChain』なのです。
いずれ別記事で詳しく説明しようと思いますが、
LangChainを使えば以下のようなことが可能になります。
LangChainで可能になること
- 長い質問に対して回答する
- 長い解答を途切れなく出力する
- 『二段階の質問』を自動で行う
(例:Aという質問に答えてください。→その解答を見た人が更に疑問におもう点を書いてください) - 問にたいして、最新の情報をググった上で解答する
- 用意したたくさんの書類から情報を読み取り、それに沿って解答する
- 解答に余分なテキストが入っていた場合、それを削除する、もしくは再度AIに要請する
- 他のモデル・AIと組み合わせて利用する
もちろん、上記のようなことは自分でプログラムを書けば実行できることばかりですが、
『LangChain』を使えば、大幅にその作業を簡略化することができるのです。
そして、その『LangChain』にGUIを実装した『LangFlow』を使えば、ありとあらゆる作業を、ノーコードでAIに行わせることができるという訳です。
ローカルへのLangFlowインストール方法
先程は『LangFlow』を『Hugging Face Space』というサイト上で動かしましたが、『Hugging Face Space』上ではスペックや応答時間等が制限されているため、『LangFlow』はローカルにインストールして使いましょう。
そしてインストール方法ですが、windowsの場合はDockerという仮想環境上に入れる必要があります。(一部のライブラリにOS依存があるからです)
手順は以下のとおりです。
1.Dockerをインストールする
Docker Desktopのサイトからダウンロード・インストールしてください。
(インストール後、windows再起動を求められます)
インストールした後、一度起動してみましょう。
場合によってはエラーが起き、『WSL』のインストールを求められることがあります。
その場合は、コマンドプロンプトを立ち上げて、以下のように入力してください。
wsl --install
2.フォルダを作り、コマンドプロンプトで移動
ダウンロード用のフォルダを適当な場所に作ってください。
今回の例では、Cドライブに『git』というフォルダを作りました。
次にコマンドプロンプトを起動し、以下のように入力してENTERを押し、先程作ったフォルダまで移動します。
cd C:\git
3.ダウンロード
以下のコマンドで『langflow』をダウンロードします。
git clone https://github.com/logspace-ai/langflow.git
回線速度にもよりますが、数分で終わります。
4.Dockerコンテナの構築→起動
下のコマンドを入れて、新しく出来たlangflowフォルダに移動します
cd langflow
更に下記のコマンドを入れて、Dockerコンテナを構築します。
docker-compose up --build
これには結構な時間がかかります。
途中、windowsファイアウォールの設定を求められた場合は『許可』を押してください。
上記のような画面になったら、構築完了です。
http://localhost:3000/ にアクセスすれば、langflowをフルに使えます!
なお、使っている間はコマンドプロンプトを閉じないでください。
また終了する際には、コマンドプロンプトに戻って『Ctrl+C』を押して終了しましょう。
あらゆるツールにChatGPTを
先日のニュースで、ChatGPTが関数呼び出し(function calling)に対応したという報道がありました。
これからしばらくは、いかにChatGPTを用いるか・連携させるか、といった競争が起きるのでしょう。
しかし『LangFlow』を使えば、プログラミングが出来ない方でもその競争に参加することが出来ます!
『LangFlow』だけでなく、『Flowise』『Chatbot UI』等、他のノーコードツールも開発が進められています。
もうしばらくすれば、プログラマ以外の人も、ソフトウェアやツールの開発を行うようになるのかもしれません。
あなたも早速『LangFlow』をインストールして、ChatGPTの世界を広げてみてください。