ここまで『不動産系マッチングサービス』や『求人・転職型マッチングサービス』についてご案内してきましたが、今回は『マッチングサービス』として一番代表的なサービス『恋愛系マッチングサービス』についてご紹介します。
『恋愛系マッチングサービス』に求められる機能やコストは、一見シンプルで簡単に作れるように見えるかもしれませんが、実は他のマッチングサービスに比べても複雑で、必要とされる機能も多いです。
今回はその点について詳しく解説したいと思います。
必要な機能
まず恋愛系マッチングサービスに必要とされる機能についてご紹介します。
年齢認証
これはとても大切な機能です。なぜなら、この機能がなければ法令に違反し、サービスを開始出来ないからです。
『出会い系サイト規制法』という法律が有り、出会うことを目的とするサービスや、連絡先を交換するサービスでは、未成年を参加させないよう対策を講じることが求められています。
それも、単に『未成年ですか? Y/N』と選ばせるだけでは駄目です。免許書もしくはそれに類する書類で確認を取るか、もしくはクレジット決済を行わせることで、明確に未成年者が利用できないよう対策しなければなりません。
なおこの他にも恋愛系マッチングサービスには様々な規定があるため、サービスを開発する前に事細かくチェックを行ってください。
レコメンド機能
ユーザーに対して、おすすめの相手を紹介する機能です。
これは単に近くにいる相手を表示することもできますが、それよりもユーザーのプロフィールや好みの設定等から候補者を選出するほうが、ユーザーに良い体験をもたらす事ができるでしょう。
多くのマッチングサービスは、この精度を日々調整し最適化を図っています。
ブロック機能・通報機能
サービスを利用してくれるのが、良い人ばかりとは限りません。残念ながら粗野な言動をする人や、恋愛以外の目的(詐欺・勧誘等)にアプリを用いる人もいます。
これらの機能は後回しで良いと思うかもしれませんが、AppStoreのレビューガイドラインでは下記のように規約が定められています。
ユーザ生成コンテンツを含むアプリでは、知的財産の侵害や匿名のいじめなどを含む、特殊な問題が生じることがあります。悪用を防ぐため、ユーザー生成コンテンツやソーシャルネットワーキングサービスを含むアプリは以下を備えている必要があります。
・不適切な内容がアプリに投稿されることを防ぐ手段
・ユーザーが不適切なコンテンツを報告し、それに対して迅速に対応することができる仕組み
・不適切な言動を行うユーザーをブロックする機能
・ユーザーがすみやかに連絡できる、デベロッパの連絡先情報
https://developer.apple.com/jp/app-store/review/guidelines
よってアプリには最初からこれらの機能が備わっている必要があります。
それでなくとも、『快適なマッチングの場を提供する』という趣旨を考えれば、この機能は必須です。
SMS認証
先程も述べた通り、マッチングサイトを利用するのは善良な人ばかりでは有りません。
そういった人をブロック機能や、強制退会で排除したとしても、またアカウントを作り戻ってきてしまう可能性があります。
その対応策として『SMS認証』が効果的です。
ユーザー登録の際、SMS認証を挟むことにより、一人が複数のアカウントを保持する可能性をぐっと減らすことが出来ます。
もちろん制度上一人で複数のSMS番号を保有することは可能ですが、それにはコストと手間がかかりますし、SMSの番号を取得する際には身分証の提出が義務付けられているため、本人確認が用意です。これは悪質ユーザーに対する抑止力となります。
メッセージ・コミュニケーション機能
またマッチングした相手と、コミュニケーションを取れるようにすることも必要です。
基本的にはチャット機能となりますが、スタンプ機能や、画像を送るようにしたい場合もあるでしょう。
いずれにせよこの機能も単純な実装では済みません。運用にもコストがかかるので、この分の見積もりを維持費に入れておく必要があります。
(なお、音声通話の実装も不可能ではありませんが、あまり有効的な施策ではありません。詳しくはこちらを参照してください)
メール・PUSH通知
そしてメッセージが来た時や、新たなマッチングが成立した際等、ユーザーに通知する機能が必要です。
通知方法はメールやプッシュ通知が考えられますが、いずれもコストがかかるので、先ほどと同じくこちらもコストに加える必要があります。
恋愛系マッチングサービスの開発費用
このように多数の機能が必要な恋愛系マッチングサービスですので、開発費用もそれなりの金額が掛かります。
特にアプリ形式でサービスを提供する場合、『Android版』と『iOS版』の2つを作らなければなりません。
Androidなら『Kotlin』、iOSなら『Object-C』や『Swift』での開発となるため、別途費用が掛かります。
(『Flutter』や『ReactNative』といった環境を使えば、1つのコードで2種のアプリを作成することも可能です。しかし未だ完全に動作するとは言い難いため、別途に作ったほうが堅実でしょう)
目安としてはおおよそ『500万円~』の費用が基本的に掛かります。更にそこから、AIマッチングや通話機能といったものを付ける場合は『1,000万円』ほどの開発費が必要となるでしょう。
運用・保守費用
これにもそれなりの額が必要となります。
まずマッチングサービスを運用するためのサーバ費用が必要です。これは月額固定ではなく、スケーラブルなクラウドサーバに搭載することで、ユーザーの増加に対応できるようにします。
更に運営費用も必要です。不適切なやり取りがなされていないか、悪質なユーザーが活動していないか監視し、日々対応を行います。
それだけでなく、システムの不具合で誤った動作が起きていないかも監視が必要です。
そして先程少し触れましたが、チャット等のコミュニケーションツールや、SMS・プッシュ通知等の通知機能、SMS認証や本人確認機能等にもコストが掛かります。
これらをひっくるめて計算した場合、最低でも20万円~のコストが毎月掛かることでしょう。なおこれは最低金額であり、一般的には50万円~のコストを運営会社は支払っています。
マーケティング費用
そして忘れてはならないのがマーケティング費用です。
残念ながらどれだけいいアプリを作ったとしても、宣伝を掛けなければ誰も使ってくれません。
そして恋愛系マッチングアプリ特有の点として『適切なマッチングをした人は、基本的にサービスを退会します』
よって軌道に乗るまで広告を出せばそれで良い……という訳ではなく、宣伝をし続ける必要があるわけです。
更に重要な点として『恋愛系マッチングサービスは、ネット広告費が非常に高い』傾向にあります。
先程も述べたように、この事業は特性として広告を出し続ける必要があるのですが、それは大手サービスも同じなのです。
よってネット広告の場合は、1つの広告枠を大手サービスと奪い合う形となります。1クリックが数百円、時には千円を超えることも珍しく有りません。
実際問題としてどの程度の費用をかけるかは、対象の規模や期待値にもよりますが、
一例としてPairsの戦略を見ると、初月に200万円、2~3ヶ月目には800万円、4ヶ月目は1,200万円もの広告費を掛けたとのことです。
必ずしもこの規模の出稿が必要になるわけでは有りませんが、これらサービスと対抗しなければならないことを覚悟してください。
アプリ申請
また、アプリの製作が完了した後は審査に掛ける必要があります。
『AppStore』、及び『GooglePlay』の審査です。
この点についても気をつけてほしい点があります。それは『恋愛系マッチングアプリの審査は厳しい』という点です。
前述したとおり、年齢制限やブロック機能が適切に実装されているか、規約やUIに不適切な箇所がないか(一目でわかる部分だけでなく、文字の大きさ・ボタンの大きさまで指摘されます)、課金機能はストアのガイドラインに則した形となっているか、細かくチェックされます。
更に『AppStore』ではアプリに革新性が求められます。
すでに飽和状態にあるカテゴリには、何らかの革新性がなければ通らないのです。なので過去のデートアプリと何が違うのか、しっかり分かる形でアプリを作り、提出する必要があります。
これらの審査を通すのは、アプリ審査に慣れている会社でも難しい場合があります。是非審査サポートの会社に依頼することも視野に入れてください。
スケジュール
マッチングアプリの計画・構成・開発期間には、ミニマム構成だとしても最低半年ほど期間が必要です。
更に機能追加や、届け出の提出・アプリ審査期間・マーケティング等も考えると、1年程かかることも珍しく有りませんので、なるだけ早めにご相談いただくことを推奨いたします。
なお、パッケージやノーコード等を使うことにより、開発期間を短縮することも可能です。この場合ですと最短3ヶ月程でサービスをリリースすることが出来ます。
最初に始めるならサイトで始めるもあり
ただし、全てにおいてこの規模の金額やコストが掛かるわけでは有りません。
例えば機能を絞り、マッチングワンのようなパッケージを用いることで、WEBサイト上で限定的にサービスを開始するのであれば、もっと低い予算で開始することが可能でしょう。
それでも需要を確認するには十分と言えます。アプリで本格運用するのは、需要が確認できてからで構いません。
またTodoONadaであれば、マッチングアプリの開発・運営に関する豊富なノウハウを持っています。初期段階から本格展開まで、各フェーズに応じた最適な戦略や実装方法についてアドバイスが可能です。
まずは一度ご相談いただき、どのような戦略でマッチングサービスを展開するのが良いか、打ち合わせいただければと思います。
コスト効率の良い立ち上げや、ユーザーニーズに合わせた機能開発など、より効果的なサービス展開について提案させていただきます。
マッチングサービスを運営するには?
『マッチングサービス』は、今大変需要が高まり、急成長している分野です。
ただし、その運営は決して簡単ではありません。
TodoONadaでは、マッチングサービスを低コストに始める方法や、サービスで決めないといけないこと・運用方法等について本ブログでご紹介しています。
各記事をご拝読いただければ幸いです。
また本記事でご紹介した内容を含め、各形態でのマッチングサービスを低コストで開発したいなら『マッチングワン』がおすすめです。
『マッチングサービスを開発したいけれど、あまりコストは掛けられない』『必要な機能をしっかり揃えたい』という方におすすめなパッケージとなりますので、ぜひ一度ご相談ください。