「マッチングサービス」と聞いた時、どのようなイメージを持たれますか?
多くの人は「出会い・恋愛」を目的としたマッチングサービスをイメージされるかもしれません。もしくは「企業と企業を結びつけるビジネスマッチング」を想像する人もいるでしょう。
しかし「マッチングサービス」と呼べる事業には、その2種類以外にもたくさんのサービスが存在しており、また分類も様々です。
今回はそのような多岐にわたる「マッチングサービス」がどのように分類できるかについてご紹介します。
この分類を把握することで、各サービスごとの傾向や戦略を読みやすくなりますので、事業を検討されておられる方はぜひご拝読ください。
「何を販売するか」による分類
自分自身が商品となるタイプ
まず一番認知されている『マッチングサービス』というのは、『自分自身が商品となるタイプ』のマッチングサービスかと思います。
Pairsやtapple等の『出会い・恋愛』を目的としたマッチングアプリは基本このタイプですし、『ビジネスマッチング』についても個人が法人に変化したと考えれば、この分類に入ります。
また、『求人マッチングサービス』や『単発アルバイトアプリ』さらには、ランサーズ等の『スキルマッチング』や『専門家マッチング』といった求人系のマッチングサービスも、あくまでやり取りするのは”人・労働力”なので、この分類に入ります。
メルカリなどのユーザーと商品が分かれるタイプ
一方で人や労働力以外のものをやり取りする、マッチングサービスもあります。
例えばメルカリやヤフオク、Creema等は、『商品』を通してマッチング相手を探すアプリということが出来ます。
またAirbnb等の『シェアリングサービス』もこのタイプに分類されるでしょう。
ユーザーの役割による分類
また、『売り手・買い手がはっきり分かれているかどうか』でも分類することが出来ます。
売り手・買い手が分かれており、入れ変わることはできないサービス
まずはっきり分かれているタイプですが、これはBtoC等のサービスが多いです。
LinkedInやWantedly等の『求人マッチングアプリ』は、買い手側が企業、売り手側が求職者であり、入れ替わることは(ほぼ)ありません。
またUber等の『ライドシェアサービス』も、運転手が売り手、移動したい人が買い手とはっきりしています。
もちろんUber利用者が運転手になることは不可能ではありませんが、その場合は別のアプリをインストールし、書類や講座の受講が必要となります。
どちらも売り手・買い手になりえるサービス
一方で、あるときは売り手、ある時は買い手…となるサービスもあります。
このタイプはBtoBやCtoCのサービスが多いです。
一番典型的なのはメルカリ等の『フリマアプリ』ですね。
不要な物を売った後、必要なものを買うことはよくあります。
人によっては販売で得たポイントを、出金することなくそのまま使う人もいるでしょう。
また比較ビズ等の『ビジネスマッチング』等も、売り手企業が必要に応じて買い手企業に回る…といったことが有りえます。
課金形態による分類
それぞれのサービスによって課金形態・収益モデルも異なります。
月額課金・サブスクサービス
基本的に多くの『恋愛・出会い系マッチングサービス』は、月額のサブスク課金形態を取っています。
一部機能は無料・それ以上のサービスを求める際はプランを上げる…という形が一般的です。
また一部求人マッチングサービスの一部は『掲載料』という形で月額課金を取っている場合もあります。
1ヶ月あたり数万~数十万円程度と引き換えに求人広告の掲載を行うことで、あとは何人採用しても追加費用はもらわない…という形です。昔の求人雑誌から続く課金形態と言えます。
成果報酬型の課金
一方で『マッチングが成立した時に費用が発生する』という形態もあります。
一番わかり易いのはメルカリなどの『フリマアプリ』でしょう。
商品の掲載自体は無料で行えますが、実際に売り買いが成立した際、その10%程をプラットフォーム側が徴収します。
また『エージェント型の人材マッチングサービス』や『ビジネスマッチング』の多くもこの形態です。
外注先や雇用が決まった際、成果報酬として費用が発生します。
この形態には”マッチングしなかった場合、コストがかからない”という特徴がある一方、”雇用した人がすぐに辞めてしまった”、”やり取りが上手くいかずプロジェクトが頓挫してしまった”といった際、利用者側には痛手となります。
なお、サブスク型でも成果報酬が発生したり、成果報酬型でも広告費等のオプションで月額が発生したり……と各社サービスによって臨機応変に対応しているところもあります。
マッチングサービス側の責任範囲による分類
また同じ業種でも、各サービスにより責任範囲が異なります。
繋げて終わり……というサービス
例えばマイナビ転職やWantedlyといった『求人サイト』では、基本的に掲載のみ行い、後の面接・採用については当事者間にてやり取りを行います。
なので採用したとしても成果報酬をもらうことはありませんが、その一方で責任等も生じません。
他には『恋愛・出会い系マッチングサービス』等があります。こちらもマッチングした後のやり取りには、基本的に介入しません。
トラブル等が起こった場合に、多少調査を行うことはあるかもしれませんが、多くの場合責任を追わないことが規約に明記されています。
仲介も行うサービス
一方で、しっかりと仲介を行うサービスもあります。
この場合の仲介とは『取引が最後まで完遂されるか見届ける』『必ず一定数のマッチングを担保する』というサービスです。
例を上げるとランサーズやクラウドワークスといった『クラウドソーシングサービス』は、基本的に仲介まで責任を負います。
例えば「受注者が納品をしなかった」「発注者の指示が途中で大幅に変わった」等の理由により、取引が成立しなかったとします。
その場合は間に入って契約内容を確認し、発注者に返金を行ったり、受注者に報酬を支払うこととなります。
他にも『転職エージェント』は、求職者とのマッチングだけでなく、求職者の支援や、2社間の交渉、入社日の調整等を行います。
入社した後、転職者の年収に応じて報酬を支払うのが一般的です。
そのような『成果報酬』を支払うタイプのサービスは、基本的に仲介後のサポートも行ってくれるケースが多いです。
BtoB, BtoC, CtoCか?
そして最後にターゲット市場の違いです。
BtoB(企業×企業)、BtoC(企業×個人)、CtoC(個人×個人)のサービスとしての分類です。
これはある程度傾向が絞られるため、リストにしてご紹介します。
BtoB
- ビジネスマッチング(比較サイト等を含む)
- 卸売、仕入れマッチング
- スタートアップ支援
- M&Aマッチング
- 後継者探しサービス
- 営業外注
BtoC
- 飲食店や美容院等の予約サービス
- フードデリバリー
- フリーランスマッチングサービス
- 求職、転職サービス
- 不動産検索サービス
- ホテル、航空券予約サービス
- スキマバイトアプリ
CtoC
- フリマアプリ、オークションサイト
- 恋愛、出会い系、婚活アプリ
- イラストや文章、音楽のコミッションプラットフォーム
- スキルシェアサービス
- 空き部屋や車のシェアサービス
各分類によって異なる戦略
このように、一概に『マッチングサービス』と言っても多様な形態があります。
もしあなたがこれから『マッチングサービス』を立ち上げる予定であれば、自分の立ち上げようとしている物がどれに該当するのかについて、しっかり見極めることが大切です。
また今回ご紹介した各形態についてですが、それぞれに特性があり、最適な提供方法や、”付けたほうがいい機能”、”行った方が良いPR方法”等が分かれます。
各ビジネルモデルや特色等については、今後ご紹介していこうと思いますので、ぜひ今後もご拝読いただければ幸いです。
マッチングサービスを運営するには?
『マッチングサービス』は、今大変需要が高まり、急成長している分野です。
ただし、その運営は決して簡単ではありません。
TodoONadaでは、マッチングサービスを低コストに始める方法や、サービスで決めないといけないこと・運用方法等について本ブログでご紹介しています。
各記事をご拝読いただければ幸いです。
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